24 10月

平成26年10月 日刀保静岡支部鑑定会のご報告

静岡県支部 八木豊さんより10月支部鑑定会のご報告をいただきました。

八木さん、ありがとうございました。

   10月 日刀保静岡県支部鑑定会のご報告   

 10月19日 秋晴れの空の下、つつじ会館にて、冥加吉也先生を講師としてお迎えし支部鑑定会が開催されました。
 好天にもかかわらず会員の出席者が20名にも満たないのが少々残念に思いました。次回は皆様奮って参加しましょう。
 
1号 太刀  備州長船義光   貞治三年三月日
 長さ二尺五寸位 重ね厚く、元にふんばりを見せ、腰反りにやや先反りごころ。棒樋の下に梵字の彫、堂々たる太刀姿、地は板目よく練れ映り立つ。
 刃文、互の目に小丁子、片落互の目交じり、匂い勝に小沸つく。
 物打辺、焼頭より映りにつながる風情。
 鎌倉期か小反りかどちらともいえず中を取って長船政光と入札。当同然で20点が出た。
 延文、貞治の掟姿ではなく鎌倉期の姿を残した名作。

2号 脇指  尾崎助隆   天明八年八月日
 身巾広く重ねやや厚く元先の巾差少なく大切先、地鉄は小板目、無地風によくつみ、涛乱風の互の目を大模様に沸匂い明るく焼く。元に短く直ぐの焼き出し。新々刀の大坂写しと見る。
とりあえず水心子正秀に入札 (イヤ)で正繁。又(イヤ)で市毛徳隣で同然。

3号 刀  大慶直胤   文政八年中秋
定寸の長さに身巾尋常、反りころあいにつき中鋒、鍛え板目杢交じりにやや肌立つ。淡く映り立つ。
刃文、方落ち互の目主体に足長く沸よく付く。帽子乱れ込む、棒樋に下半櫃中に八幡大菩薩の浮彫。裏に独鈷付剣の浮彫、義胤彫と見る。大慶直胤の備前写しと見て入札。当たり。

4号 刀  山浦真雄   安政三年八月日
長さ定寸、身巾広く重ね厚く大切先。手持ち重く、幕末期の勤王刀。地鉄板目に杢交じり地景よく入り地沸え厚く、鍛えの強さを感じます。刃文はのたれに互の目、沸足長く刃先に向かう。荒沸え力強く、金筋、砂流しかかる、帽子掃きかけて下げる。 左行秀で入札 (江戸にてヨク)の返事で清麿に入れる。 兄の真雄でした。
真雄と言えば信州松代藩での荒試しに耐え抜いた刀で有名ですが、この刀を見て、さもありなんと実感しました。地刃、姿共に豪壮です。

5号 刀  平信秀   元治元年三月日
長さ定寸、身巾広く、重ね厚く、大切先のふくらかれてすすどしい姿。鎬
やや高く先反りごころ。
この姿は文久、元治、慶応頃の栗原信秀の典型的な刀姿。地は小板目よくつみ無地風に、刃文方落風の角ばる互の目主体に変化のある互の目。匂い勝に小沸えよく付く。足長く入る。常に見る金筋、砂流しは目立たないが元から先までむらなく焼きそのまま帽子へ乱れこむ。信秀で当たり。

鑑定終了後、講師の丁寧な解説があり特に新々刀についてのお話は大変勉強になりました。 冥加先生ありがとうございました。
なお成績の発表はありませんでした。