19 9月

平成27年9月 本部鑑定会 (後編)

小野田さんから本部鑑定会のご報告後編です。
お忙しいところありがとうございました。
記憶力もさることながらその鑑定力はお見事の一言ですね!

平成27年9月 本部鑑定会

9月12日 本部鑑定鑑賞会への行脚 (2) 小野田老生

特別展「備前刀剣王国」の展示場で夢中になり時の経つのを忘れ気が付いた時は
1時を回っていた。本日の第3目的たる鑑定会場へ急行する。4Fの会場入口受付で
会員証を提示し、会費¥2000を支払い名簿へ氏名を記入して会場内へ。地震があったと
云うのに何時もと変わらぬ賑やかさに驚かされた。参加者5~60人。5振りの鑑定刀の
前にそれぞれ10余名づつ並んで順番待ち。年令は30才位から小生まで、職業は種々、
でも矢張り刀剣関係に携わる方が多いように感じられる。女性は3~4人で今日は
少ないようだ。
遅れてしまったので席が無く荷物を机の片隅へ置かせて貰う。アツ!中村さんと
藤江さん。遅れて来たのだそうだ・・・・・

先ずは1号刀から後ろへ付く。鑑定時間は1分、取り上げて姿を確認するだけで鳴って
しまう。場合によっては腰反り、先で伏さる、先でも反る、輪反りなど細かく考えて
いると1回では間に合わ無い。本刀は腰反りで先でも少々反り鎌倉中末期と知れる。
丁子乱れの刃文で映りが立ち備前一文字、長光辺りと見当が付く。ただ丁子の形が
複雑で個銘が分からず後回しにする。

先に2号刀へ。後ろから見ていて切っ先の非常に大きい身幅広い細直刃で余り寸伸びず
先反り風の打刀に見えた。この姿アレだ!有名なコレクターの図録のものだ。
手に取って見て確信する。月山近則。鑑定ではなく認知の記憶テストだ。

3号刀へ並ぶ。相変わらず大勢だ。だんだん前へ進み刀が見え始める。
あれ長いな身幅広めで中直刃みたい。反りは不明、アツ!はばき元がくびれて焼き出し風、
支部で見た冬広見たい。自分の番が来てよく見ると先反りで一寸異風の地金(北陸)。
間違いなく冬広だ。また見知りか。

4号刀遠くで見ていても長寸が見て取れた。樋があり彫のある細直刃。
似た刀を最近支部で見たな。若し倶利伽羅の三枯柄が6角なら綱広だ。手に取って直ぐ
倶利伽羅を見る。やはり6角だ見知りの綱広確定。
驚いた。3振りも見知りまたは見知りに近いものが出るとは。

5号刀これはどっちか迷う刀で弱った。時代は1号と同じ鎌倉中末期映り状があり匂い口
締まり角ばる刃逆がかる刃があり、備前なら元重または青江の誰か。何時もの悪い癖が
出た。鑑定は「心でなく目で」行えと諸先達からくどく教えられて来たにも拘わらず、
1号が備前なら5号は備前である筈が無い青江で行こうと。青江吉次へ。

最後の1号へ個銘を当てるため新たに2回並び漸く答えを出す始末。一文字か長船か、
一文字なら誰か。丁子の刃文が尖り気味だったが後は感に頼り吉房で出す。

結果は1号~4号当たり。5号「能」ギャフン。(後日、元重と知る)
5号ならば元重で出そうとしたら、判者の机は入札紙で出す場所が無いくらい。
あきらめて棄権する。もう3時近い。何時もより20分超過。本日は鑑賞刀を良く見る時間が
なく、鑑定札を出している間にざっと見て刀名を記すに留めた。鑑賞刀次の通り。

1号 水心子正秀 刀 ・・・・光芒如花
2号 大慶直胤 刀 文政四年五月
3号 壽長 短刀 5寸 明治
4号 秀壽 短刀 天保五年
5号 左行秀 刀 明治三年
6号 運壽是一 刀 嘉永七年 以上6振り。

時間が切迫してきて藤江さんに5号の正解をメールでと依頼してまだ皆さん一生懸命の
最中に会場を飛び出した。
新宿南口まで約30分、大した距離では無いが超高齢者一人のため慎重にならざるを
得ない。無理をせず転ばぬように気を配って歩く。
途中、文化学園前の広場で一休みして持参のビスケットを口にして水を飲み、英気を
養い南口に辿り着き3時20分頃の快速で東京駅へ。
4時3分発のひかりへ間に合う。静岡まで約1時間、この間に鑑定刀のあれこれをを
思い出し、反省しながらメモを整理する。文明の利器はさすがに速く、6時には
自宅の戸を開けていた。
本日の歩行数13500歩、所要時間10時間、観刀数40振り、手にした刀10振り。

本日の鑑定鑑賞会に参加しての偽らざる感想は何とも言えない充実感と
健康であることへの感謝でした。
先ず人様にご迷惑かけずに往復出来た事。備前の名刀を思う存分堪能出来た事。
新しい人とお話し出来た事。鑑定会場の適宜な刺激が脳に沁みこんだ事(認知防止)。
皆様・・お分かり頂けましたでしょうか。人は必ず老いが来ます。他人ごとでは
ありません。自分もかってはそうでした。こんなに速く来ようとは夢にも
思いませんでした。刀剣趣味は健康です。歩くことです。車を降りて歩こうでは
ありませんか。ご感想がありましたらどしどしお寄せ下さい。(sa.onoda@nifty.com)

以上拙い刀剣鑑定鑑賞会行脚のご報告でした。まだまだお伝え出来ない部分が多々
あります機会がありましたら書かせて頂きたいと思います。
有難うございました。