13 3月

平成29年度 第6回 新春鑑定会・鑑賞会

こんにちは、静岡県支部の曳地です。
ブログを書かせていただくのは半年ぶりぐらいかな・・・?
今回は、3月4日に行われた新春鑑定・鑑賞会について、ご紹介させていただきます!

新春鑑定・鑑賞会
日 時  3月4日(日)13:30-16:00
場 所  佐野美術館 隆泉苑 数寄屋の間
講 師  渡邉 妙子先生(佐野美術館 館長)
参加者  14名

鑑定刀(4本)
一号刀  来國俊
二号刀  保昌
三号刀  備前兼光
四号刀  繁慶

鑑賞刀(4本)
五号刀  〇△◇※%#(都合により伏せ字にします)
六号刀  手掻包永
七号刀  (金象嵌)一文字
八号刀  ☆〒¥+~&(都合により伏せ字にします)

普通、鑑定刀は5本なのですが、この新春鑑定会では渡邉先生の計らいで、
鑑賞刀を多くしたいという我々の要望を叶えて、限られた場所でなるべく
多くの刀を見ることが出来るようにセッティングしていただいております。

さてここより、日本刀お勉強歴 約1年の、私の入札鑑定の奮闘を
お伝えします。
勉強を始めたばかりだった、昨年の佐野美術館での新春鑑定会の目標は
「とにかく入札に参加してみること」「古刀・新刀を判別する、古刀は
時代まで判別する」「丁子が出たらとりあえず備前って書く」であった
ことを、実に鮮明に覚えています。
さて、今回もいつもと同様に三本入札。こってり納得のいくまで頭を
悩ませて入札することが出来ます。約一年の間に、どれほど出来るように
なったのか・・・

結果は、以下の通り。
一号刀:当たり(来國俊)
この刀は、以前に見せていただいた事がある刀でした。「あ、会ったこと
ある!」という既視感と、反りの高く古風な姿、小沸のついた刃文、
上品に小丸に返る帽子…「来か、来だな」と推理を重ねていきました。
最後は佐野美術館から出ている日本刀ハンドブックを見ていたら、凡字と
素剣の彫り物から彫り物鑑定ができてしまい…ちょっとズルして個名まで
当てることが出来ました。
この、腰反りで、元幅広く先幅狭い、小切先の姿というのは、平安時代と
鎌倉初期、それから鎌倉後期にリバイバルするそうです。1号刀は刃文が
見分けのポイントで、刃縁がキリキリっと細く締まって光るような技巧的な
刃文は、古い時代にはまだないそうです。

二号刀:当たり(保昌)
手に取ってすぐに、直刃ですこしほつれがかかったり、帽子の様子からも
大和物だな、とすぐに分かったのですが、この刀も、一号刀同様、会った
ことがある刀で、記憶を頼りに入札したら当たりました。
地鉄に「長い髪の毛見たいなサラサラした柾がかかる」様子がとても
印象的で、以前に鑑賞の記録を取ったノートにも「髪の毛みたいな柾」って
いう記述が残ってました。私、髪の毛が肩甲骨下ぐらいまで長い時期が
あったのですが、その時の髪の毛のうねり具合に、大変よく似てるんです
よね(笑) 保昌の地鉄はロングヘアー風。

三号刀:同然(倫光→基光→兼光)
これは、のたれの山の部分にぽつぽつ互の目が入る刃文を見て「先日まで
佐野美で行われていた展覧会「上杉家の名刀と三十五腰」でたくさん見た
やつと似てる、兼光の刃文…南北朝備前だ!!」って分かりました。
でも、そこまで分かったのに、個名を選ぶのに、なぜか倫光にしちゃったん
ですよね…。もっと直感で、兼光って最初から書いておけばよかった。
南北朝長船なので、長義も一瞬思い浮かんだけど、長義さんなら切先が
もっと大きいかな、もっと砂流しかかったうるさい刃文かな、と思い、
長義をやめたのは正解でした。

四号刀:時代違いイヤ(南北朝備前→答えに限りなく近いヒントを得て繁慶)
これは、はじめて会う刀でした。入札鑑定ではじめましての刀に合うと、
「はじめまして、さて私の名前はなんでしょう?」状態なんですよね。
新刀はすごく苦手意識が強く勉強もしていないので自業自得なのですが、
まさしく手の着けようがない感じ。
姿が南北朝っぽかったのと、棒映りっぽいものが見えたので、なんとなく
相伝備前に入れたいなーと思い、最初はとりあえず南北朝備前に入れて
みたけど、時代違いイヤ。南北朝にしては手持ちが重いのでこれは新刀、
かつ、備前物はこんなにむら沸えがついたり刃縁がボサボサしない、との
ことでした。
最終的には、渡邉先生から江戸時代初期の康継・繁慶という二人の刀工と、
それぞれの作風の特徴を丁寧に教えていただき、さてどちらでしょう?と
いう限りなく答えに近いヒントを得て、ゴールしました。

感想まとめ
この新春鑑定会と次にある静岡県支部特別ローカルルール「初心者だけの
鑑定会」は、私にとって実力テスト的な意味を持ち、ちょっと緊張
しながら臨んでいます。
佐野美術館は静岡県民にとってはアクセスがよく、展覧会を見に行く
ついでに刀剣展示室で刀が出るたびに足を運んでいたので、見たことがある
刀がたくさん出る鑑定会というのは稀なケースかな、とも思います。
他の鑑定会ではきっとこのような結果を残すことは出来ませんが、考える
プロセス的に、昨年よりずっと手ごたえを感じられるようになったのが、
自分自身とてもうれしかったですヽ(o’∀`o)ノ
特に、昨年は初心者特別ルール「古刀か新刀か見分けて、新刀って書けば
20点もらえるやさしい世界」が適用されていた事を思うと、感慨深いものが
あります。
また、1年間みっちりこってりご指導いただいた杉浦先生をはじめ支部の
先輩方にも、この結果を褒めていただきました。このように勉強を支えて
くれる師が近くにいる環境と、成長を共に喜んでいただけることを、
大変ありがたく、嬉しく思います。

鑑賞刀については…前段がだいぶ長くなってしまったので、巻きで紹介します。
とても勉強になる4振りを手に持たせていただくことが出来、ひそかに
恋焦がれていた〇△◇※、一文字。#$%&は堀川一門で「砂をまいたような
地沸のついた肌」という表現で、今までよく分かっていなかった「ざんぐり」
が分かりました。

さて。今月は忙しいですよ。静岡県支部では、まだまだイベントが続きます。
3月18日(日)
10:00-12:00 初心者講座 基礎編  テーマ:映りの種類
13:00-15:00 初心者講座 応用編
        初心者だけの鑑定会、上位者には豪華?!賞品付き
場所:どちらも柚木宮前公民館(静岡市)

初心者講座では、随時見学受け入れております。
来年度4月からの入会を検討している方がいらっしゃれば、今月に見学が
できると初心者講座の第一回目から参加するのにバッチリなタイミングと
なります!!

見学ご希望の方は、下記URLコメント欄にご記入いただくか、事務局まで
ご連絡ください。

URL http://nihonntoushizuoka.jp/course/

日本刀初心者講座 | 日本美術刀剣保存協会静岡県支部
<http://nihonntoushizuoka.jp/course/>

日本刀初心者講座. 日本美術刀剣保存協会静岡県支部主催による
「日本刀初心者講座」を開講中です。 日本刀を手にとって鑑賞できる
よい機会になると思います。

静岡県支部では、性別も世代も多種多様な方が集まって、楽しく刀の
鑑賞・勉強をしております。
みなさまのご参加を、心よりお待ちしております!!

 

 

2 thoughts on “平成29年度 第6回 新春鑑定会・鑑賞会

  1. 曳地さん 支部新春鑑定会の詳細なご報告、感心しながら拝読しました。ご参加の女性の方ゝも全員同じような実力と思いますが1~2年であの難しい鑑定刀をものにするとは驚き以外に言葉がありません。

    小生は支部最高齢でこの世界に50年位おりますが、皆さんがどんどんお出しになるので、驚いてばかりいました。若し失敗したらどうしよう?とうとう一番最後になり先生に笑われる始末。昔と違い勉強する機会が多々あり杉浦先生をはじめ大勢の役員の方々がおられますのでメキメキ上達なさる事でしょう。楽しみにしております。有難うございました。

                    焼津市     小野田老生

     

    • 小野田様

       

      コメントをいただき、ありがとうございます。お返事が遅くなり申し訳ありません。

      先日は、佐野美術館の鑑定会の後に、いろいろなお話を聞かせていただき、大変勉強になりました。

       

      まさか、改めて小野田さんからお褒めのお言葉をかけて頂けるとは思わず、大変嬉しい限りです!

      何も分からない私たちが、ここまで情熱を持って日本刀の勉強を続けられてきたのは、静岡という地で名品をたくさん見れる環境にあり、それを支部の先輩方が親切丁寧に教えてくださった為だと思います。とてもひとりではできませんでした。

      次の鑑定会でもお会い出来ることを楽しみにしております。是非よろしくお願いします。

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