平成31年度 第5回 鑑定鑑賞会

2019年12月2日

11月30日(土)の午後13時から平成31年度 第5回 鑑定鑑賞会を行いました。
お招きした講師先生は 冥賀吉也先生 です。約1年ぶりです。
鑑定刀は 5本 。3本入札。

1号刀 短刀 清人 身幅、重ね尋常、小板目つむ、帽子深く返る、大互の目で
匂い足が刃先に突き抜ける感じ、刃中匂い足を切るように砂流し。清人とは
思いつかず清麿で入札して同然。

2号刀 長巻直し 無銘(備前基光) 板目に杢交じり、淡い映り、角ばった
互の目、片落ち互の目、いかにも南北朝の備前って感じ。兼光で準同然。

3号刀 刀 相州正広 寸が短く先反り、皆焼、相州彫り、これだけ見れば
末古刀の相州系。相州綱広かと思ったが、もしかして駿州由来の島田モノを
持ってきているのでないかと余計なことを考え 義助 で入札したら「通り」。
素直に書けばよかった。二札目は綱広で同然。

4号刀 刀?脇差? 備州長船忠光 2寸あるなしの先反り。つんだ小板目の
地鉄。しのぎ寄りに乱れ映り。直刃。どうしてもしのぎが高いことが気になって
備前を外して三原にこんなきれいな地鉄ねぇよなぁと思いつつも三原で入札したら
「通り」。やっぱり備前だよな・・。二札目は祐定で同然。

5号刀 刀 兼音 本日一番の難題。先反りではないが弧を描いた反り。
板目。映りがあるだかないだか不明。片側は腰開きの複式互の目に似た感じ、
裏は小模様の乱れ刃。尖り刃はないことはないが目立つ感じではない。
ぜんっぜん想像がつかない、いたしかたなく様子見で盛光に入れてイヤ。
見れば見るほどわからない。今日は義助モードに入っていて二札目「義助」で
「イヤ」で途中で時間切れ終了。

今回の3号刀~5号刀は室町末期まで下らない中期くらいの刀がテーマでした。
この時代は特に寸が短く、先反りで、帽子の返りが深く、「しのぎを盗む」らしい。
しのぎを盗むって言葉を初めて知ってしまった。重ねが薄いとは表現が違うところが
勉強になりました。

今回写真を撮り忘れた!

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